「私、金曜に山口に行くから」 そう言うと、部屋にいるみんなが、一瞬ポカンとした後に爆笑した。私がガシャポンさんに会いに行くという意味が全くわかっていないからだ。私がガシャポンさんに思いを抱いているということは誰にも言っていなかった。いつもみんなが集まる部屋でしかガシャポンさんと話していなかったから。 「なんでだよ。お前本気かよ」 そう言ったのは博之。同郷で、常に冷静で理知的で、昔から私が訳のわからないことを言うと、鋭いツッコミをしてくれる頼もしい存在だ。 「すごい勢いで行くな。なんでそんなに急なんだよ」
小説 クラブハウスの恋人 3
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「私、金曜に山口に行くから」 そう言うと、部屋にいるみんなが、一瞬ポカンとした後に爆笑した。私がガシャポンさんに会いに行くという意味が全くわかっていないからだ。私がガシャポンさんに思いを抱いているということは誰にも言っていなかった。いつもみんなが集まる部屋でしかガシャポンさんと話していなかったから。 「なんでだよ。お前本気かよ」 そう言ったのは博之。同郷で、常に冷静で理知的で、昔から私が訳のわからないことを言うと、鋭いツッコミをしてくれる頼もしい存在だ。 「すごい勢いで行くな。なんでそんなに急なんだよ」